中南米の消防士が十勝の広域消防を研修

今年の2月から3月にかけて、中南米諸国の消防関係者11名が来日し、帯広や札幌などを訪れて、日本の消防・防災についての研修を行いました。

この研修は今年度から始まったJICA(国際協力機構)の青年研修「広域消防・救急救命コース」のプログラムで、今回は1月に行われたトルコの研修に続いて2回目。

研修に参加したのは、アンティグア・バーブーダ、ベリーズ、ドミニカ国、グレナダ、ガイアナ共和国、ジャマイカ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントヴィンセント及びグレナディーン諸島の9カ国。これらの国のほとんどはカリブ海に浮かぶ小さな島国で、財政的な理由から十分な消防体制が整っていない国が多く、今回の研修では昨年広域化した十勝の消防を参考に、限られた設備・人員の中でいかにして効率的・効果的な活動を行うかを学びに来ました。

とかち広域消防局では数日間に渡って様々な講習を実施し、十勝全域からの119番通報を受け付ける指令センターの見学などを行ったほか、帯広消防署員によるロープ救助実習や救急救命講習なども行われました。


その後、広尾消防署にも訪れ、担当者から地震・津波への備えや消防団についての説明を受けました。日本では地域住民が自主的に消防活動などを行う消防団が古くから組織されており、研修員らはその防災意識の高さに驚いていました。研修の最後には、研修員らによる発表会が行われ、国ごとに日本で学んだことを発表していました。特に最新の指令システムが現場到着時間の短縮につながるという声が多く、「自分の国でも導入したい」と話していました。