マレーシアの消防士が十勝の広域消防を研修

 平成30年8月から9月にかけて、マレーシアの消防関係者7名が来日し、日本の消防・防災についての研修を行いました。

 この研修はJICA(国際協力機構)の青年研修「広域消防・救急救命コース」のプログラムです。
 マレーシアでは高地、山岳地帯が多く森林火災がおきやすい地理的な課題や、近年は地震による地形の変化に伴う洪水の発生、また産業の高度化から化学薬品の使用の増などでリスクが増している危険物災害に対する隊員の知識や経験の不足、財政的な課題などがあり、今回は一昨年広域化した十勝の消防を参考に、限られた設備・人員の中でいかにして効率的・効果的な活動を行うかをテーマとした研修を行いました。

 とかち広域消防局では数日間に渡って様々な講習を実施し、十勝全域からの119番通報を受け付ける指令センターの見学などを行ったほか、帯広消防署員による救急救命講習なども行われました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、上士幌消防署にも訪れ、担当者から森林火災や消防団についての説明を受けました。日本では地域住民が自主的に消防活動などを行う消防団が古くから組織されており、研修員は署員と団員の良好な関係と防災意識の高さに驚いていました。










 研修の最後には、研修員による発表会が行われ、テーマごとに日本で学んだことを発表していました。特にマレーシアでは、消防車と同時に出動する救急車には応急手当をする救急隊員しかおらず、保健省管轄の救急車に同乗する救急救命士が到着するまでの応急手当を行うにとどまることから「保健省管轄の救急業務と消防局の救急業務を日本のシステムのように統合できたら、救命率の向上や到着時間の短縮とコストの削減も期待できる」と話していました。